ASPニードル®の特徴
ASP(Aiguille D’Acupuncture Semi-Permanente)ニードルは、耳介療法(Auriculotherapy)に特化して設計された鍼であり、その中でも特に戦場鍼(Battlefield Acupuncture, BFA)で広く知られています。耳鍼全般で使用されることもあり、以下の特徴があります。
- 小型で使いやすいデザイン
ASPニードルは非常に小型で、直径0.7mm、全長3.2mm(しん体1.3mm + しん根0.8mm + しん尾1.1mm)となります。体内に留置される部分は、しん体(1.3mm)+しん根(0.8mm)で、合計2.1mmです。耳のツボ(耳介上の経穴)に適したサイズで設計されており、初心者から熟練者まで幅広い施術者が簡単に扱うことができます。 - 生体適合性の高い素材
ASPニードルはチタンといった生体適合性に優れた素材で作られています。これにより、金属アレルギーを持つ患者でも比較的安全に使用でき、耳への刺激も穏やかです。 - 留置型で持続的な刺激を提供
ASPニードルは耳のツボに挿入したまま数日間留置することが可能です。この間、鍼がツボを継続的に刺激することで、鎮痛やリラクゼーション効果が期待できます。一般的には3~7日間留置しますが、患者の状態に応じて取り外すタイミングを調整します。 - 戦場鍼(BFA)での活用
ASPニードルは特に戦場鍼で多用され、耳の5つの特定ポイント(セドアティブポイント、シェナポイントなど)に施術するプロトコルで知られています。戦場鍼は、急性および慢性の痛みを短時間で軽減するために考案され、戦場や災害時の応急処置としてもその有効性が確認されています。 - 耳介療法(耳鍼)全般で使用
ASPニードルは、戦場鍼に限らず、耳介療法全般で使用されています。耳介療法は、耳を通じて全身の疾患や症状にアプローチする技法であり、ASPニードルはその小型で使いやすい設計から、さまざまな耳鍼プロトコルに適しています。 - 簡便で安全な施術
ASPニードルは個別パッケージで事前に消毒済みです。そのため、施術者が清潔で安全に使用でき、耳鍼の初心者でも比較的安心して扱えます。 - 痛みとストレスの軽減に効果的
耳介療法を通じてASPニードルは中枢神経系や自律神経系に作用し、痛みの軽減やストレス緩和、睡眠の改善、全身のリラクゼーション効果が期待されています。
注意点
- 皮膚に長時間留置するため、感染症予防のための衛生管理が必要です。
- 施術後に軽い違和感や痛みを感じる場合がありますが、通常はすぐに改善します。
ASPニードルは、耳介療法を実践する鍼灸師にとって、即効性と持続性を兼ね備えた信頼性の高いツールです。戦場鍼に限らず、耳鍼全般で幅広く活用されており、施術の効果向上が期待できます。ただし、ASPニードル独自の刺入方法や取り扱いについて、正確な知識を習得することが重要です。そのため、ASPニードルに関する基本的な知識や操作方法を学べるセミナーを受講し、臨床で活用できる技術を身につけた上で使用することを強くお勧めします。
※ASPニードルに関する基本的な知識や操作方法は、BFA JAPANおよび一般社団法人日本ASPセラピー普及協会で学ぶことができます。
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